子供にお金に関して教えるのって難しいです。
お金は現代社会で生きるためには必要不可欠のモノであるのですが、お金に執着しすぎるのも問題な気がする、、、
何か良い絵本は、と探していたときに見つけたのが「せかいでいちばん おかねもちのすずめ」でした。
お金があるだけじゃ幸せになれないということを教えてくれます。
絵本『せかいでいちばん おかねもちのすずめ』
基本情報
- 文 エドアルド・ペチシカ
- 絵 ズデネック・ミレル
- 訳 きむら ゆうこ
- プチグラパブリッシング
『せかいでいちばん おけねもちのすずめ』のあらすじ
雪の積もったある日、4羽のスズメがパンを食べていました。
1羽だけ頭がぼさぼさだから「ぼさぼさくん」と呼ばれていました。
みんなは自分が見つけた餌を分けるのに、ぼさぼさくんは自分で見つけたものはこっそり食べてしまいます。
ある日、たくさんの麦を運んだ機関車が街にやってきました。
ぼさぼさくんは、貨車の中に入って麦の山の上で「せかいでいちばんおかねもちのスズメになった」と言って喜び。
そのうちに貨車の扉が閉まりますが、麦の山の上にいるので気にしません。
貨車の窓から外を見ると他の3羽のスズメたちは楽しそうに遊んでいました。
みんなの方が楽しそうで急に悲しくなったぼさぼさくん。
貨車の扉が空いたらすぐにみんなのところに逃げて、その後は餌をみんなで分けるようになりました。
『おかね』との付き合い方について学べる絵本
お金のことを教えるのって難しいですが、この本ではお金に関する教訓がわかりやすく学べます。
お金だけ持っていても一緒に遊べる友達がいなかったら楽しくないと教えてくれます。
なんだかちょっと前に話題になった「紀州のドンファン」みたいです。
資産家として有名だった彼は周囲の人を敵に回しながらもお金を稼いだそうです。
女性関係が派手で人生を謳歌しているように言っていましたが、実際はお金目当ての人以外周りにいないさみしい晩年でした。
お金の方ばかり向いていると、いつの間にか身近にある大切なものが見えなくなります。
ぼさぼさくんたちはいつもお腹を空かせていましたが、見つけた餌はみんなで分けて楽しく暮らしていました。
ぼさぼさくんはそんな生活の中で「自分だけはお腹いっぱいご飯が食べられるようになりたい」と常に思っていました。
しかし、実際に麦の山を得ても仲間がいないとさみしいことに気が付きます。
このお話では最後に友達が受け入れてくれましたが、普通一度離れた友達ってなかなか戻って来ないですよね。
そう考えるとマイルドな終わり方にしてあります。
この絵本の作者は元々大金持ちだったけど友達がいなくて寂しかったという実話に基づいた話なら説得力があってより深く楽しめたのですが、残念ながらそういった情報は見つかりませんでした。
色彩豊かできれいなイラスト
雪景色と青い空がとてもきれいに表現されている絵本です。
絵本に登場するスズメや機関車など、デフォルメされてすっきりして記号化されています。
デザイン的にシンプルで見やすい絵でした。