書評(絵本)

死の恐怖や悲しみを和らげてくれるおすすめ絵本ベスト3

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人間誰もがいつかは訪れる「死」。

死は子供にとって理解が難しいものであり、悲しみのと恐怖の対象でもあります。

大人が説明することもできますが、直接的な表現になってしまうと恐怖だけが伝わったりします。

おすすめな教え方は「絵本」を使うことです。

絵本を使うことで子供にもわかりやすく「死」や「いのち」と言ったテーマを伝えることができます。

そこで、「死」や「いのち」についてわかりやすく教えてくれる名作絵本ベスト3を紹介します。

【第1位】わすれられない おくりもの

基本情報

  • 文 絵 スーザン・バーレイ
  • 訳 小川 仁央
  • 評論社
  • 読み聞かせ年齢 4歳〜がおすすめ
  • 読み聞かせ時間 約10分

 

あらすじ

森の仲間たちに愛されていたアナグマのお話。

アナグマは物知りで優しくて、森のみんなにいろいろなことを教えてあげていたので、みんなアナグマのことが大好きでした。

ある日アナグマは死んでしまいます。

森の仲間たちは悲しみましたが、みんなで集まってアナグマの思い出を話しているうちに、アナグマが教えてくれたことはそれぞれの中で生きていて、アナグマはみんなの中で生きているということに気が付きます。

 

人は死んでも残したものは生き続ける

アナグマは生きているときに森の仲間たちにスケートや料理、はさみの上手な使い方など様々なことを教えました。

アナグマは死んでしまっても、アナグマの教えた技術は教えられた者に残り、教えられた人の中で生き続けました。

人は死んでしまっても影響を与えた人の中で生き続けるということを教えてくれています。

死んでしまうと存在がなくなり、消えてしまうように思えるのですが、そうではなくて人の心の中で生きる存在になると思うと、悲しみが少し和らぎます。

この絵本はそのことをとてもわかりやすく、優しい内容で伝えてくれるため、子供だけでなく、大人にもおすすめできる名作です。

 

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【第2位】葉っぱのフレディ

基本情報

  • タイトル 『葉っぱのフレディ ーいのちの旅ー』
  • 作 レオ・バスカーリア
  • 訳 みらい なな
  • 発行 童話屋
  • 読み聞かせ年齢 5歳〜がおすすめ
  • 読み聞かせ時間 約10分

 

あらすじ

ある年の春に生まれた葉っぱ「フレディ」のお話。

春に生まれて友達と遊び、夏には人間のために日陰を作ったり、そよ風を送ったり。

秋には赤く色づいて人々を楽しませました。

そして、冬になる前にフレディは自分がもうすぐ死んでしまうことに気が付きます。

フレディは最後の一枚になり、雪の上に落ちてしまい葉っぱとしての一生を終えます。

 

「いのち」とは何か?

「葉っぱのフレディ」の作者レオ・バスカーリアはアメリカの哲学者です。

作者は絵本の中でフレディという「葉っぱ」が春に生まれて、冬に落ちてしまうまでで人の一生を表現しています。

そして、葉っぱのフレディの中に人の一生や人生とは何かということに対しての答えの一つを埋め込んでいます。

葉っぱとして生まれて、冬には結局落ちて死んでしまうことに対してフレディは疑問に思いました。

 

「ねえ ダニエル。ぼくは生まれてきてよかったのだろうか。」

とフレディがダニエルに聞いたときダニエルは深くうなずき、今までの楽しかった思い出を思い出しながら幸せだったことをフレディに思い出させました。

人生は自分が楽しんで、人を喜ばせ、幸せだったのであれば十分生まれてきた意味があるダニエルは言います。

 

葉っぱは冬に落ちてしまいますが、土の中で分解され木の養分となり、新たな生命の誕生に役立っています。

人間も死んで終わりではなく、死が新しい命につながっているということを教えてくれました。

哲学的な内容でとても深いテーマの絵本ですが、子供でもわかりやすく大人でも何度も読みたくなるような絵本です。

 

 

【第3位】いつでも会える

基本情報

  • タイトル 『いつでも会える』
  • 作 絵 菊田まりこ
  • 発行所 株式会社学習研究社(学研)
  • 読み聞かせ年齢 3歳〜がおすすめ
  • 読み聞かせ時間 2分

 

あらすじ

主人公は犬のシロです。

毎日大好きなミキちゃんと遊んで楽しく暮らしていましたが、ある日突然ミキちゃんは死んでしまいます。

ミキちゃんがいなくなってシロはあちこち探し回るのですが、ミキちゃんは見つかりません。

しかし、シロが目をつむるとミキちゃんの声が聞こえ、今までの思い出が蘇りました。

いつでもミキちゃんに会えるとわかったことで、シロは悲しみを乗り越えることができました。

 

子供にとっての死とは?

この絵本の主人公は犬のシロです。

絵本の中ではミキちゃんがいなくなるページに「死」という言葉はなく、お墓の絵があるだけです。

ミキちゃんが急にいなくなったシロはさみしくなり、あちこちミキちゃんを探し回ります。

 

「死」がまだ理解できない小さな子供にとって「死」とはこんな感じではないでしょうか。

犬のシロの目線で死を表現することで、「死」という言葉を使わずに子供に死を教えることができる絵本です。

 

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