ヨシタケシンスケさんについて初めて知ったのは別の本ですが、初めて買ったのは、この「りんごかもしれない」でした。
子供が産まれて絵本を読む機会が増えましたが、この「りんごかもしれない」を読んで「いまの絵本は昔の絵本とかなり違うなぁ」と衝撃を受けた一冊でもあります。
自由な発想で描かれた、空想の楽しみ方を提案してくれる絵本です。
絵本『りんごかもしれない』
基本情報
- 作 絵 ヨシタケシンスケ
- タイトル 『りんごかもしれない』
- ブロンズ新社
『りんごかもしれない』のあらすじ
ある日、ぼくが家に帰るとりんごが置いてありました。
じ〜っと眺めていると「もしかしたら、これはりんごじゃないのかも?」と思ったぼくはどんどん空想を膨らませていきます。
実はりんごみたいに丸まった魚なのかもしれないし、大きなさくらんぼなのかもしれない。
もしかしたら、表だけはりんごだけど裏から見たらりんごじゃないのかもしれない。
など、「実はりんごじゃなくて〇〇なんじゃないか?」という空想で、どんどん壮大な空想をしていくお話です。
自分に見えていない世界
「りんごかもしれない」は、ある日見かけたりんごから話が始まります。
表面はりんごに見えるけど、実は裏側は違うんじゃないか、近くで見たら違うものなんじゃないか。
これって誰もが一度考えたことがあるんじゃないでしょうか。
ぼくは大学のときに良く考えていました。
「あのテストはあまりできなかったけど、まだ実際には手元に帰ってきていないから、もしかしたらものすごくできている可能性も残っている」、と。
そう考えているときのテストは、ほとんどダメダメな場合が多かったですけどね(笑
自分が見えていない世界の裏側は実は、、、という想像にもつながる絵本として楽しめます。
ジム・キャリー主演の「トゥルーマン・ショー」という映画があります。
主人公は平凡なサラリーマンですが、実は産まれてからずっと撮影されていたドキュメンタリー映画だったという話です。
『りんごかもしれない』を読むと、『もしかしたら自分の人生も誰かが作ったゲームやドラマの一部なんじゃないか』と考えたりします。
新しいジャンルの絵本
子供はこういった空想を楽しむ心がありますが、大人になるとだんだんと空想をする能力が無くなってきます。
数々の実体験からの経験則で、物事が「これはこう」とわかってしまうので、それ以上考えなくなります。
頭の柔軟性がなくなり、突拍子もない面白い考えがうかんでこなくなりますが「りんごかもしれない」を読んで、自由に空想することの大切さを学びました。