沖縄で行きたかった観光地の1つが「首里城」です。沖縄論と目からウロコの琉球・沖縄史―最新歴史コラムを事前に買って読んだのですが、やっぱり首里城は沖縄の歴史の中で重要な場所であり、ぜひ行きたい場所だと思いました。10年くらい前に一度来たことがあったのですが、あまり勉強して来なかったからか、正直あまり記憶がありません。今回は、ちゃんと歴史を勉強してからなので、かなり楽しみでした。
1.首里城の駐車場
首里城は今は沖縄に出来たモノレール「ゆいレール」の駅が近くにあるため、空港からレンタカーを使わなくても来られるようになりました。車で来る場合は、近くの駐車場か専用地下駐車場があるので、そちらかといえば専用地下駐車場を利用した方が良いと思います。沖縄県立芸術大学の近くにコインパーキングがあったので、そちらに停めてしまいましたが、そちらに停めると首里金城石畳道まで行ってしまうと帰りが大変になるので、やっぱり専用地下駐車場が良いと思います。
2.守礼門
県立沖縄芸術大学の方から首里城に向かうと、池の中に島があってお堂がありました。ここは、15世紀末に朝鮮王から送られたお経を収めるために1502年に作られたそうです。しかし、1609年に薩摩の琉球入でお堂は破壊され、中にあったお経はなくなってしまいました。1621年に新たにお堂を建てて、弁財天像をまつり、それ以降は弁財天堂と、そこに至る橋を天女橋と呼ばれるようになったそうです。
しかし、1945年に沖縄戦でまた破壊されてしまいましたが、1968年位再度復元されたそうです。こちらから守礼門に向かう途中は自然が多く森(もしくはジャングル)のような雰囲気になっています。
守礼門に向かっていたら旧日本軍「第32軍司令部壕」というものがありました。
ここから広範囲に渡って地下壕が掘られていて、司令部に使われたそうですが、現在は封鎖されていて中を見ることが出来なくなっています。
守礼門に来ました。以前はボロボロだったそうですが、きれいに修復してあって朱色がとても鮮やかできれいです。
お札と一緒に記念写真を撮っている人がいて、そういえば2,000円札の絵は守礼門だったことを思い出しました。2000円札見なくなりましたね。
3.首里城正殿
守礼門から首里城正殿までは、いくつもの堅固な門を抜けていきます。
門の多さや立派さ、城壁の高さなどから格式の高さがわかります。門をいくつかくぐると門の横に鐘が吊るされています。
これは、有名な「万国津梁の鐘」という鐘で、元々は正殿にかけられていたそうです。この鐘に書かれている碑文の意味としては、沖縄は世界の架け橋になるというような意味が有名で、そのような言葉の意味から2000年の沖縄サミットのときの会場の名前が「万国津梁館」という名前になったそうです。しかし、目からウロコの琉球・沖縄史―最新歴史コラムを読むと、そのような意味は碑文の一部分で、最後まで読むと「琉球は尚泰久王のもとで仏教を盛んにして平和になった」というような感じの意味になるそうです。当時は、琉球は仏教を保護して、仏教が広まっていった時代だったようなので、そういった時代背景の中で作られたものでしょう。
そのあと、正殿に向かう門の前に首里森御嶽(すいむいうたき)がありました。
こちらは、首里城の聖域で、琉球の神話によると神様がつくった聖地なんだそうです。城内にはここを含めて十嶽(とたけ)と呼ばれる10箇所の礼拝所があったといわれています。沖縄には首里城や勝連城、今帰仁城などの城(ぐすく)がありますが、それぞれのグスクには必ず御嶽(うたき)と呼ばれる聖地があると聞きました。聖地があったところに城が出来たのか、城の中に聖地を作ったのでしょうか? 首里城は聖地が先に出来てから、その周りに城が出来たと考えられています。どちらにしろ沖縄ではグスクと聖地は同じようなものらしいです。城が防衛の拠点だったり、政治的な場所として機能していた本土とは違った考え方ですね。
この後はいよいよ首里城の正殿です。首里城の正殿の前には御座(うなー)と呼ばれる広場があります。ここにある正殿から伸びる通路は正殿と垂直ではなく、少し曲がっています。これは、はっきりとわかっていないのですが、建て増しの際に徐々に歪んでしまった説や風水を考慮して曲げた説、道が聖地である首里森御嶽を向いている説などの説があるそうです。見てみるとこういった建築では珍しく確かに曲がっているので面白いです。
正面が正殿で、向かって右側がヤマト風の建物の「南殿」、左側が中国風の「北殿」です。それぞれ、ヤマトからの使者のときには南殿を、中国からの使者のときには北殿を使って接待していたそうです。南殿は内部の写真撮影が禁止でしたが、なぜか正殿は大丈夫でした。
南殿の中にお茶とお菓子を出しているところがあって、300円で沖縄のお菓子の説明を聞きながらさんぴん茶を飲めて、沖縄風日本庭園を鑑賞できるのでおすすめです。お菓子は4種類出してくれて、一番大きな模様のあるお菓子「花ぼうる」がしっとりとしたクッキーのような感じでとても美味しかったです。
歩き疲れた休憩としても調度良いタイミングのところにあります。順路だと、南殿の後に正殿と北殿を見るので、南殿で休憩しておくと後が楽です。
正殿は写真撮影しても大丈夫です。王様の椅子やその周りの装飾は朱色と金色が鮮やかでとてもきれいでした。
王冠や琉球国王印の展示もありましたが、残念ながら本物は喪失してしまっているらしく、レプリカでした。
戦後のゴタゴタで無くなってしまったのでしょうか。沖縄県民の宝だと思うのですが、とても残念です。北殿は歴史関係の展示物や首里城の復元の様子を上映しているシアターがありました。
シアターを見ると首里城復元のためには、当時の技法を使って大変な工事だったことがわかります。
首里城は、なんとなく本土の城という概念よりも「宮殿」のような感じがしました。防衛のための城という位置より、貿易のための外交施設のような感じがします。
正殿の裏では工事をしていましたが、これは更に国王の居住区域の復元工事中ということでした。
復元工事が完成したらぜひまた見に来たいと思います。
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