ついに、ジョジョの奇妙な冒険の第7部「スティールボールラン」を読み終えました。最後まで息をつかせない展開はさすが荒木飛呂彦だと思います。
冒険のワクワク感、人間の諦めない力などのいろんな要素が詰まっている面白い作品です。
最近、読み終えたので、感想をまとめてみました。なるべく、この記事を読んだあとも作品が楽しめるような記事を書きますが、多少はネタバレありなので、ネタバレが嫌な方は読まないほうが良いと思います。
1.話の舞台はアメリカ
今度の舞台はアメリカです。しかも、今まではジョジョの一族に関係した話で、話の流れがすべてつながっていましたが、今度はまったくつながっていません。しかし、主人公は「ジョニィ・ジョースター」でジョジョだし、ツェペリという名前の人も出てくるし、2部で出てきたシュトロハイムという名前も出てくるし、ディオも出てきます。
作者によると、パラレルワールドのようなもので、名前や因縁やつながりなどはある程度ジョジョの今までの世界とつながっているけど、別の世界だと考えて欲しいそうです。最初はタイトルも完全に変わってしまったので、完全に別の作品かと思ったのですが、コミックの中にはちゃんと「ジョジョの奇妙な冒険 第7部」と書かれています。
話は、アメリカで行われる西海岸から東海岸まで移動する弾丸レースが舞台になっていて、様々な目的をもった人間がレースに参加し、だんだんと壮大な話になっていくというストーリーです。
西海岸から東海岸まで旅をするレースというだけでもワクワクしますが、その途中では、第3部から登場しているスタンドも登場します。
2.スタンドについて
今回の主人公「ジョニィ・ジョースター」のスタンドは「回転」がキーワードになっています。今までのようにスタンドがいきなりバーンと出てくるのではなく、だんだんとスタンドの形が出てくるのですが、正直個人的にはかっこよく感じなく、好きではないです。今回のスタンドも成長するのですが、成長してもあまりかっこよくなかったところが残念でした。
ジョニィ・ジョースターの相棒のジャイロ・ツェペリには具現化したスタンドはなく、能力だけがあります。これは、多分、第1部、第2部のようにツェペリ一族はジョジョ一族をあくまで助ける役割で、教えを伝えるという役割だからだと思います。今回のスタンド発動のきっかけはジャイロ・ツェペリですからね。
3.キャラクター
ジョニィ・ジョースターのキャラクターは最初、あまり好きではありませんでした。承太郎や仗助やジョセフはいつもなんとなく余裕があるキャラでしたので、見ていたどこか安心するところがあったのですが、ジョニィは足が動かなくて、最初は性格もあまり良くない感じの描写がありました。
しかし、さすが荒木飛呂彦。レースが展開されていくにしたがってだんだんとキャラクターがいきいきしてきて、過去がわかり話に厚みがまして、キャラクターが魅力的になっていきました。ジャイロも同じような感じで、どんどんかっこよくなっていきます。
個人的には、今までのジョジョの中で一番好きな二人組かもしれないです。スタートの段階では立場も力も一番弱い主人公かもしれないですが、その成長に魅力を感じたのだと思います。アメリカを旅している二人の雰囲気がすごく良いです。
4.ストーリーについて
正直、全体の構成は良いと思いますが、スタンド能力とかは結構適当? 意味がわからないところも多かったので、時間があるときにもう一度読みなおしてみることにします。
全体的な流れは面白いです。レースとその裏に隠された壮大な陰謀は読み進めていくうちにワクワクしてきます。
2部の「考えるのをやめた」とか今までの作品を読んでいると「おっ!」と思うところがたまに登場するのが楽しいです。
個人的には「旅」というテーマが好きなのかも。3部も旅だったけど文明の利器が登場してしまっているので、馬でアメリカ大陸を旅しながら横断するというのは惹かれるテーマです。途中の旅の描写が好きです。
5.まとめ
ところどころストーリーはちょっと…というところもありますが、二人のキャラクターの魅力と全体のストーリー構成は素晴らしいです。ラストの方は裏の裏の裏まで続くようなストーリーで相変わらずワクワクさせてくれます。
最後4巻くらいは時間をとって一気に読んだ方が面白いと思います。
コミックスの表紙のイラストは今までで一番だと懐います。色合いがとてもきれいで、パソコンの壁紙にしたいくらいです。
荒木 飛呂彦 集英社 2011-08-11
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