「パワハラ」という言葉を聞いたことがありますか?
パワハラとは正確に言うと「パワーハラスメント」という言葉で「自らの権力や立場を利用した嫌がらせ」です。
日本の会社では良くある「指導法」(実際は指導ではない)じゃないでしょうか?
ぼくの周りでは友人がパワハラ上司についての愚痴をよくもらしています。
愚痴を聞いているうちにこれは上司個人の問題ではなく「会社の存亡をかけた問題なんじゃないの?」と思えてきたので、理由をまとめてみました。
パワハラ上司はどんな人?
とりあえず友人の愚痴を参考にパワハラ上司についてどんな人かまとめてみました。
- 気に食わない人を一人決めていじめる
- 上司は仕事ができる(プレイヤーとして)
- 機嫌が悪いときは部下に厳しくなる
- 感情で人との接し方が左右される
- 自分よりも上の人には人当たりが良い
- 自分よりも上の人に保身的な報告がうまい
- 仕事のミスを人格否定につなげて罵倒する
- 指示が曖昧で、できなければ部下の責任
- 部下を何人か辞めさせたり精神科に送っている
などなど。
とりあえず思い出しただけでもこんな感じ。
ぼくが以前働いていた会社にも似たような上司がいましたし、これって結構「日本企業あるある」なんじゃないでしょうか?
「プレイヤーとして仕事ができる」というのがやっかいですね。
与えられた仕事をそつなくこなすのは上手なので、その上司よりも上の人には評判が良くなります。
しかし、部下を潰している時点で「人を管理する仕事」はできてないです。
こういう人は上司として人を率いる立場では「無能」です。
パワハラ上司が無能な理由
パワハラ上司は例え無能でも、自分の評価を上げることができます。
理由は簡単。
- パワハラで潰れた人 → 弱い人認定
- パワハラで残ったできる人 → 自分が育てたから(本当はもともとできる人)
と自分よりも上の人に報告できるから。
こういう上司は、辞めた人をボロクソいいます。
「あいつは何をやってもダメだった」
「いつもこっちの指示(曖昧な指示)通りやらない」
部下の人数は決まっています。
その中で、できる人は手元に残しておきたいので、「こいつは使えない」と決めた人は罵倒して辞めさせるように仕向けます。
そういった場合には、
「お前は本当に何をやってもダメなやつだ」
「このプロジェクトが失敗したのはお前のせいだ」
などと人格否定を混ぜた攻撃をします。
子育てでは「お前はダメだ」などの人格否定は絶対に言ってはいけないと言われています。
人格否定はその人の存在を否定すること。
自分の存在を否定されれば自信を無くし、仕事のパフォーマンスはさらに下がります。
人格否定が続けば精神病を患う可能性もありますし、最悪自殺につながる場合もあります。
逃げる手段は職場や上司を変えてもらうか、仕事を辞めることです。
「パワハラを受けた」という理由で職場を変えてくれる会社なら良いですが、そういう会社は少ないでしょう。
結局会社に無駄なコストがかかっている
パワハラを理由に人が辞めるとどうなるか。
会社は新しく人を雇う必要があります。
転職会社に新しい人を紹介してもらう場合の相場は、紹介した人の想定年収30〜35%といわれています。
400万円の人なら、120万円くらいの費用がかかります。
新しく人が入っても、仕事を覚えるまでは戦力にならないので、その分の経費も無駄です。
これは全部会社のコスト。
コスト削減というのに、人が辞めて新しく雇う場合にはあまりうるさくない会社が多いのはなぜなんでしょう??
評判が悪くなる
最近は、会社の評判を紹介するサイトもあります。
こちらの「カイシャの評判」では
- 職場の人間関係
- 承認・称賛する社風う
- 本業での社会貢献の実感
- 責任・権限のある仕事
- 仕事を通じた成長感
- 仕事を通じた達成感
の6項目でスコアがつけられていて、総合的に判断することができます。
社員や元社員からの口コミを見ることができて、リアルな内部の声がわかります。
こんな感じに手軽に会社の評判がわかる世の中です。
辞める人が多ければ悪い評判が増えて、入社したくなる人が減りますよね。
そうなれば、優秀な人材をとるどころか、そもそも入社を希望する人なんて来なくなります。
「人手不足」と言われている時代。
少子化でさらに働き手は減るので、人を一人雇うコストはまだ増えるでしょう。
でも、パワハラ上司は人事部に
「あいつは使えなかった。もっとできる人を雇ってくれ。」
とクレームを言うに違いありません。
管理職の仕事をしていない上司が、人を育てないで、すべて人のせいにして、手元に優秀な人を残すために会社にコストをかける。
余計なコストと人材流出という悪循環に気がついていないのです。
パフォーマンスが悪くなる
「より小さく」「より高機能」など、社会で必要なものが明確だった昔はとにかく、今はどういうものが売れて、どういう会社が成長するかを予想するのは難しいです。
数年前に洋服をネットで売る会社が儲かって、その社長が月に行くことを予想できた人が何人いたでしょうか?
変化や人々の求めるものがわかりづらくなった時代に受け入れられる物やサービスを作るには「創造力」が必要になってきます。
しかし、パワハラ上司の指導方法は決まって「俺の言うとおりにやれ(曖昧な指示)」。
そして、その結果が悪ければ「ちゃんと俺の言うことを聞け」。
たまに「責任は俺がとってやる」とかっこいいことを言う場合もありますが、そんな言葉は信用できませんし、大抵の場合は裏切られるでしょう。
そんな環境で仕事をすれば「とにかく上司の顔色を伺うこと」が第1になります。
本当に目を向けなければいけないのは、会社の製品やサービスを使ってくれる顧客なのに。
「上司」という狭い領域だけを見て仕事すれば、仕事の視野が狭まり、上司が考えつきそうなことしかできなくなります。
たまに良いことを思いついても「どうせ上司に成果を奪われるからな」「こんなこと言ったら怒られるかな」というネガティブなイメージで潰れてしまいます。
そんな状況で、今後必要になるクリエイティブな仕事ができるとは到底思えません。
パワハラ上司を辞めさせにくい理由
とはいえ、パワハラ上司は辞めさせにくいのが今の日本企業。
理由はパワハラをする人や会社が、
- 社長に近い人
- 長年会社にいる人
- 声がでかい(自己主張が激しい)
- 自己保身能力が高い
- 自分より上司には評判が良い
- パワハラを「やる気」と勘違いする社風
という特徴があるからです。
社長に近い人がパワハラをしていて、社長がそれに対して制裁できないならそれは「社風」です。
会社がパワハラを容認しているのと一緒。
社長が容認しているのであれば、パワハラを辞めさせるには社長の意思を変えないといけません。
しかし、それって一般社員からしたら不可能ですよね。
でも、変わらなければ、パワハラ上司が部下を潰すことで、
- 人事のコストが増える
- 人材流出
- 会社の評判がわるくなる
- ブラック企業と言われる
- 働き手がいなくなる
など、どんどん悪循環になっていきます。
会社が潰れる未来も想像できます。
パワハラが社風なら辞める方が正解
パワハラ容認会社は完全に泥舟です。
いっしょに沈む必要はありません。
世の中には20代、30代でも責任を持ってやりがいのある大きな仕事をしている人もたくさんいます。
パワハラ会社から人が辞めることは、パワハラ会社の競争力を削ぎ、淘汰されて社会がよくなっていくことに繋がります。
転職は難しいことではありません。
特に20代、30代なら転職先はいくらでもあります。
給料や会社の規模、ブランドがすべてでしょうか?
給料が安くて小さい会社でも、自分のことを大切にしてくれて、やりがいのある仕事を任せてくれる会社で働く方が人生が充実しませんか?
転職サイトに登録して、他社の情報を見るだけでも自分の世界が広がります。
まとめ
パワハラを容認する会社が潰れる理由としては、
- パワハラ上司が人材を流出させる
- 再雇用という無駄なコストが増える
- 無能なパワハラ上司が出世する
- 会社の評判が悪くなる
- 社員のパフォーマンスが悪くなる
- 時代にあった商品ができなくなる
があります。
そんな会社は時代の波に乗り切れず、そのうち潰れてしまいます。
というか日本のためには潰れるべきです。
そういう会社が幅を利かせる国では、今後世界で戦っていくのは難しいでしょう。
自分一人が行動することが、日本の発展のためにもなります。
泥舟にいつまでも乗っていないで、自分の未来のことを考えて行動しましょう。