「沼津港深海水族館、シーラカンスミュージアムに行ってきた〜前半」の続きです。細かく解説していくと意外とボリュームがある水族館でした。
前半では、沼津港深海水族館の概要や駐車場などの説明から、ダイオウグソクムシなどの海の生物を見てきました。後半も引き続き、海の生物、シーラカンス、ミュージアムショップなどを紹介していきます。
6.標本展示も面白い
駿河湾の大きな水槽の向かい側にカウンターがあって、そこに標本が展示してありました。その標本は「ダイオウグソクムシ」。
右がオオグソクムシで、右がダイオウグソクムシです。さすが大王と呼ばれているだけの迫力がありますね。ダンゴムシの仲間とは思えないでかさです。
カウンターでは新人の水族館職員の人が解説をしていて、鮫肌を触らせてもらいました。
すごくザラザラしていて、一方の方向には指を滑らせることができるのですが、反対方向に指を滑らせようとするとザラザラして進めません。こういう特徴を使ってサメの肌でわさびをするんでしょう。
変わった展示ばかりではなく、サンゴのきれいな水槽もありました。
きれいです。
そして、その水槽のすぐ近くには「透明骨格標本」が展示されていました。
肉の部分が漂白されていて、骨に色をつけてある標本で、ぼくはきれいだと思ったのですが、隣にいた人は「気持ち悪っ!」って言っていました。
作り方は、「きれいに形を整える」→「薬品で柔らかい骨を赤く染める」→「薬品で硬い骨を青く染める」→「肉の部分を薬品で透明にする」→「保存液に浸して完成!!」と、キューピー3分クッキングで作れそうなくらいに簡単に説明してくれていました。ちなみに難しさは5段階で「5」だそうです。
隣にはサメの歯の標本が展示されていました。
こちらも作り方が解説してあって、「サメの歯をGET!」→「きれいに肉を取る(※お湯で煮ると取れやすいよ)」→「きれいに形を整える(※しっかり乾燥させよう)」→「完成」。難しさも5段階で「3」です。先ほどの透明骨格標本に比べたらかなり簡単そうで、道具もあまりいらなそうですね。サメの歯ってアップで見るとすごいです。
歯が口の外側から内側に向かって生えているので、一度食い込んだら外に逃げにくいようにはえています、しかも、3段くらいになっていて、奥にも歯が続いています。しかし、「シノノメサカタザメ」というサメの歯はとてもなめらかな見た目です。
肉食じゃなくて、草食で海藻とか食べるんでしょうか? エイの仲間のようです。その下にはエビやカニの脱皮殻が展示してありました。
作り方は結構簡単そうで、「エビやカニを大切に飼う」→「脱皮殻をGET!」→「きれいに形を整える(※しっかり乾燥させよう)」→「完成」。難しさは5段階の「2」です。しかし、こんな大きな海老やカニを家で飼うのは実際にはかなり難しいかと。ザリガニくらいなら飼えそうですが。
7.深海の生物とヒカリキンメダイ
標本展示の裏には深海の生き物の水槽が並んでいました。
こちらは「ダーリアイソギンチャク」という名前のイソギンチャクで、ダリアの花に似ていることから名付けられたそうです。なんと水深300m〜1000mで生息しているようです。光も届かなそうですが、そんなところにイソギンチャクっているんですね。丸くなり、転がりながら移動するらしいです。
こちらのパネルには深海生物を扱う苦労が書かれていました。
深海で生きる生物たちは元々水圧のかかった暗い海で生きているので、捕まえて船に引き上げた時点で、急激な水圧の変化や浴びたことのない太陽の光などで、大半の生物はすでに死んでしまっているか弱り切っているそうです。その中で奇跡的に生きている生物を急いで一匹ずつ酸素パックして、7〜9℃の保冷容器に移し、その後は酸素の補充や海水の交換などを繰り返して、沼津漁港に寄港したらすぐに水族館に搬入されるそうです。
さらに、水族館に搬入されてからも種類によって環境を変化させ、水温や水質、餌の種類、照明の色、砂や泥の質を調整することで、生き物を長生きさせるために苦労しているそうです。
こういった話を聞いてから水槽をみると、生き物に対する見方や水槽の中の環境に対する見方が変わりますね。こういった話をまとめた動画があれば、その動画を見てから水族館に足を運ぶことで、理解度が深まる気がするのですが。
順路を進むと「ヒカリキンメダイ」の部屋がありました。
ヒカリキンメダイは目の下に半月状の発光器があって、発行するバクテリアが共生しているそうです。そして、その発光器を回転させることで、光らせたり消したりしているとのことでした。この部屋は黒いカーテンで区切られた暗室になっていて、中に入るとヒカリキンメダイの水槽があって、何十匹ものヒカリキンメダイがピカピカ光ってとてもきれいです。写真ではうまく映らなかったので、実際に行ってみて感動してください! 深海のプラネタリウムと書いてありましたが、まさにその表現にふさわしい美しさです。
8.駿河湾についての紹介
ヒカリキンメダイの隣にはチョウチンアンコウの標本が展示してありました。
ピクサーの映画「ファインディング・ニモ」にも出てきましたね。ちゃんと提灯がついていますし、目の上には点々がついています。確か、ニモではあの点々も光っていたような気がしました。光るところを見てみたかったです。英語では「Deepsea footballfish」っていうんですね。フットボールに似ているような気もしないでもないです。
その隣には駿河湾についての展示パネルがありました。
駿河湾は世界一深い「湾」なんだそうです。一番深いところは2500mにもなるそうで、複雑な地形もその特徴の一つです。
水深が深くなると水温も下がり、水深1000mになると2〜3℃になるそうで、水sん1000mの水温を体験できる金属板が設置してありました。
触ってみると確かに冷たい。隣には水圧の説明があり、なぜか駄菓子のブタメンの容器で比較されていて、水深2500mのブタメンのカップは陸上の物より半分くらいの大きさになっていました。これはわかりやすい。
駿河湾を横から見るとこんな感じなんだそうです。
かなりえぐれているのがわかります。
深海魚の体の色で赤い色の深海魚の説明がありました。赤い色は水の中では吸収されるので深海に行くと海水に溶け込んだくすんだ青い色になり、保護色の働きをするそうです。勉強になりますね。
この後は、2階へ移動します。
9.2階にはなぜか昆虫のエリアが…
2階に上がるとシーラカンスのキャラクターが出迎えてくれます。
顔の部分がかなりリアルに動くので、最初はびっくりしましたが、どうやら中から投影して映像を流しているようです。リアルで面白い仕掛けですね。ちなみに、このシーラカンスのキャラクターの声はサザエさんマスオさんでした。最近、箱根の関所でもマスオさんの声優の「増岡弘」さんの声を聞きましたが、ここでも聞くなんて結構いろんなところで活躍しているんですね。
裏にはシーラカンスの模型の展示。
そして、なぜか昆虫コーナー。
ジャングルのようになっていて、その中にクモやサソリなどの昆虫が展示されていました。
コンセプトとしては、気持ち悪いムシを見て涼しくなろうということのようです。大型のゴキブリなどのムシが詰まったカゴの中の空洞部分に頭を入れて、スイッチを押すと照明が付くという仕掛けもありました。
かなり気持ち悪かったです。
ジャングルの中の小屋のような雰囲気は結構気に入りました。
進んでいくと「日本初公開! バナナのような超巨大ナメクジ」というキャッチコピーが。
その下には、本当に巨大なナメクジがいました。気持ち悪い。こんなのが家に出たら卒倒しますね。
ちなみに、最大で25cmくらいになるそうです。デカすぎでしょ。
バナナナメクジを見ていると、館内放送が聞こえてきました。
「まもなく〜、シーラカンス冷凍シーラカンスの前で〜、やるせなす石井ちゃんによる〜、シーラカンスの説明があります〜」
えっ? 石井ちゃんってあの石井ちゃん? しかも、なんでシーラカンスの説明? シーラカンス詳しいの? いろいろと疑問が頭に浮かびます。
10.シーラカンスとやるせなす石井ちゃん
行ってみると確かにあの「石井ちゃん」の姿が!
「いしいちゃ〜〜ん、ですっ!!」ってやってくれましたが、速すぎてカメラが追いつけず…
そんな石井ちゃん、テレビに出ていたころのように筋肉がすごいです。トレーニングは欠かさないのでしょう。石井ちゃんはどうやら沼津港深海水族館の応援隊長になっているそうです。軽快なトークでシーラカンスの説明をしてくれていました。話を聞くとどうやらシーラカンスはあまり美味しくないとのことでした。
そして…あとは展示を見ていて聞いていませんでした。
石井ちゃん効果なのか2階は結構混雑していました。
2階にはまたまた何故か魚ではない「ハリモグラ」の展示も。
ハリモグラは哺乳類なのに卵を産むということで、進化の過程の謎を秘めているという点でシーラカンスと一緒という意味で展示されているようです。
ちっちゃくうずくまっている姿が可愛かったです。
じっと見ていると時々もぞもぞと動きます。
そして、最後に本物の冷凍シーラカンスです。
冷凍のシーラカンスはかなり貴重な物らしいので、ぜひチェックしておいた方が良いそうです。
そして、お待ちかねのミュージアムショップに来ました。
が、長くなってしまったので次へ続きます。
つづく…
「沼津港深海水族館、シーラカンスミュージアムに行ってきた〜ミュージアムショップ」
館長の石垣さんの書いた本が安くてDVD付きでかなり売れてるみたいです。
石垣 幸二 笠倉出版社 2013-06
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