モンスターズユニバーシティ観てきました。さすがピクサーって感じでした。まずは、モンスターズユニバーシティの概要。
・モンスターズユニバーシティの概要
マイクとサリーがモンスターズインクに入社する前、2人が初めて出会った大学「モンスターズユニバーシティ」での話。
話の冒頭はマイクの幼少期から始まります。マイクが遠足でモンスターズインクへ行き、そこで子供たちを怖がらせてモンスター世界のエネルギーを得る「怖がらせ屋」たちに憧れを持つようになり、「怖がらせ屋」になるためにはどうしたら良いの? と、聞いて「モンスターズユニバーシティ」に入学することだと教えてもらい、マイクがモンスターズユニバーシティに入学することから今回の物語は始まります。
・幼少期のマイクに注目
テレビCMなどでも出てきたと思いますが、映画の冒頭10分くらいで流れている幼少期のマイク。これがとにかくかわいい。一つ目のモンスターという普通に考えたらかわいくできないようなキャラクターをあそこまでかわいく出来る技術がすごい。「かわいい」と人間が感じるものを論理的に説明できないとあのかわいさは作れないと思います。さすがピクサーって感じる瞬間です。
意地悪されても前向きで健気なマイクの姿に泣きそうになります。幼少期のマイクかわいすぎです。
・今回の主役はマイク
前回の主役はなんとなくサリーよりな気がしました。ブーを助けようと言い出したのはサリーですし、マイクは最初はブーのことをやっかいものとしか扱っていなかったし。サリーが純粋でいいやつ、マイクはそのサリーを引き立てるための役のような感じでした。
しかし、今回のモンスターズユニバーシティではマイクの方が主役です。純粋に夢に向かって諦めないマイクの引き立て役としてサリーが使われつつも、サリーとマイクの友情が育まれて行き、だんだん2人の物語になっていきます。
・大学時代は人格を形成する時期
今回のモンスターズユニバーシティでは、物語の最初と最後で結構キャラクターの性格が変わってきたりしています。それは、大学時代は自分自身や、環境、周りの人たちによってその後の人格が形成されるということを表しているのではないかと思いました。
・今回のショートムービーはちょっと変わっている
ピクサーの映画は本編の前に大体ショートムービーが入っています。そのショートムービーを観るのが結構ピクサー映画を観る時の楽しみなのですが、今回はちょっと以外な感じでした。
始まったときは、最初実写映画かと思いましたが、よくよく観ているとCG。でも実写との併用なのか? でもピクサーだから全部CGだと思うけど、、、と感じるような作品です。
多分実写に似せたCGを使った作品だと思いますが、ピクサーのアニメはいつも実写に近づけるけどアニメーションとわかるようにしている作品が多いのですが、ピクサーが本気を出せば実写に近づけるタイプのCGもものすごいクオリティで実現できるのだと気がつきました。なんとなく、野球がmのすごいうまい選手がサッカーをしてみたらどちらもうまかったという感じです。今までは、野球しか見せてこなかったけど、実は本気を出せばサッカーもうまいんだよというようなメッセージが伝わってきました。このショートムービーで実験的なことをして、それを今後の作品に生かして行くこともあるため、今後のこの実写のようなCGの技術を使った作品も楽しみです。
ストーリーも傘の恋をみんなで応援するという物語で心が温まります。
映画に遅刻しないように、本編の前のショートムービー「ブルー・アンブレラ」も必ず観てください。
・映画が終わっても映画館から出ない
映画が終わってスタッフロールが流れると映画館から出てしまう人がたまにいますが、ピクサー映画は最後の最後まで楽しめるように工夫されていることが多いですので、今回のモンスターズユニバーシティもスタッフロールの後まで必ず残って観てください!
【ここから多少ネタバレしていきます。純粋に物語りを楽しみたい方は読まない方が良いかも。すでにモンスターズユニバーシティを観た人は映画の解釈についてよかったら僕の考えを読んでみてください。】
・昔のキャラクターも登場
モンスターズインクでは悪の手先として活躍? した身体の色を変えられるモンスター「ランドール」ですが、今回も登場して物語の中で良い味を出しているキャラクターになっています。驚いたのが、ランドールが最初は結構良い奴だったことです。
ランドールは最初、すごくおどおどした性格で周りに気を使う結構良い奴だという感じのキャラクターでしたが、後半ではすでにモンスターズインクのときの嫌な奴になっていました。その理由として考えられるのは、ランドールが大学の人気者達の輪に入るために媚を売っているところで、性格が曲がってしまったのだと思います。モンスターズインクでも権力者にあやつられ、モンスターズユニバーシティでも権力者のいいなり。人の顔色をうかがって生きると性格がねじれてしまうのではないかという教訓だったと思います。それにしてもランドール、最初は良い奴だったのに。
ロズもちょっとだけ登場しました。若かりし頃のロズも変わってませんね。でも、あの姿だと若いのかどうかわかりませんが。シルエットが特徴的すぎてすぐにわかります。
雪男も一瞬だけ登場しました。あれは多分モンスターズインクで雪山に飛ばされたときに出会ったイエティじゃないかな。
・こっそりモンスターズインクを見学に行くシーンが好き
マイクの提案で夜の遠足に出かけ、モンスターズインクに忍びこみ、怖がらせ大会のチームのみんなで有名な怖がらせ屋達の特徴を探しに行きます。そこで、みんなが気がついたのは「特徴がないこと」でした。
優秀な怖がらせ屋たちも特徴がなく、みんなそれぞれの個性を生かして怖がらせているということが大切で、見た目だけで「できない」と決めつけないで、個人の個性を生かして工夫すればなんとかなるんだというメッセージが伝わってきました。
・サリーの性格の変化も楽しめる
モンスターズインクではサリーはブーを助けるために一生懸命になって、どちらかというとマイクは最初はブーのことを邪魔者扱いしているイメージで、どちらかというとサリーの方が良い奴という感じでした。
しかし、モンスターズユニバーシティのサリーはどちらかというとやな奴で、最初はエリートの息子で体格も良いし、怖がらせ方もうまいのですが、それを自慢にして偉そうな感じです。そのサリーがマイクと一緒に困難を乗り越えることによって、マイクという友達ができて、自分の本当の性格を打ち明ける勇気が出来て、だんだんと性格が変わって行くところが物語の魅力の一つです。
何でも話ができる友人が出来て、その友人に打ち明けることで本当の自分を見つめ直し、本当の自分を人前にさらけ出せる勇気をもらいました。
サリーの性格が今回のモンスターズユニバーシティとモンスターズインクではかなり違ってますが、これは、一緒にいる人にあわせて人間の役割も変わるからだと思います。1人でいるとダメなサリーも、しっかり者で計画的なマイクと一緒にいることによって、サリーの立場が変わり、マイクの言うことを聞くキャラに変わってしまうということは実生活の人間関係でもあることであり、それをうまく表現しているのだと思うと、とても楽しく観ることができました。そして、その自分の役割にだんだんと気がついていくサリーの変化が面白いです。
・マイクの性格がすばらしくいい
マイクの前向きな性格と、常に努力で物事を解決しようという性格は素晴らしいと思いました。どんな困難にあって、どんなきつい一言を言われてもすぐに考え方を切り替えて、前に進むために必要な行動に移して行くのはすばらしいです。
しかし、ずっと1人で頑張ってきたからなのか、マイクは自分で努力することは出来ても、人と協力したり、人の力を借りることはしません。モンスターズユニバーシティで人と協力すること、人に頼ることを身につけたマイクは、大学の勉強よりも素晴らしいものを得たのではないかと思います。
・夢を叶える道は大学だけじゃない
なんか、モンスターズユニバーシティのテーマの一つなのではないかと思いました。ピクサーではないディズニー映画なら最後は仲良く大学を卒業してめでたしめでたしですが、ピクサーがさすがだと思ったのは、結局マイクを退学にしたことです。
しかし、マイクとサリーは努力して最後には「怖がらせ屋」になるという夢を叶えました。これは、ピクサーが大学に行って、まじめに勉強して、良い会社に入るという道筋だけではなく、夢を叶えるにはいろんな道があるから諦めずに夢に向かって進んでほしいという意味があるのではないかと思います。
改めてピクサー映画のファンになりました。
・モンスターズユニバーシティのまとめ
この映画は、
・夢を諦めないということ
・夢を叶えるためにはいろんな道があり、
一つの道が閉ざされたからと言って諦めないで前向きに行動すること
・自分をさらけ出せるパートナーが人生には必要
・自分で出来ないことは協力すること
・一それぞれ個性があり、個性を生かすことで不可能も可能になるということ
を教えられた気がします。
ピクサー映画を好きですべての作品を観てますが、今回はかなりよかったです。ブルーレイが出たら絶対に買おうと思います。
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