〜〜明治時代の名建築に出会える「明治村」に行ってきた〜その1 SLに乗った〜〜
の続きです。前回、明治村に入って明治村の「東京駅」から「名古屋駅」までSLに乗って移動しました。次はいよいよ明治の建築を見ていきます。
4,レンガ通り
SLで名古屋駅に到着してレトロで味のある改札を抜けました。
駅長室がちゃんと右から左に読むようになっていて、「駅」の旧字の「驛」という字が使われています。
森の中にある小道を抜けて「レンガ通り」がある明治村2丁目へ向かいます。
石畳が味わい深い小道です。小さな坂を越すと道が開けてきました。
きれいなレンガ通りの両側に明治の建築物が建っていて、一番奥には「明治村村長室」があります。
明治村村長室には歴代の村長の写真や説明が飾ってありました。初代村長は「徳川夢声(とくがわむせい」という人で、本名は福原駿雄(ふくはら としお)という弁士、漫談家、作家、俳優でラジオ、テレビで活躍した日本の元祖マルチタレントととも呼ばれる人らしいです。
あとで知ったのですが、この人「彼氏」「恐妻家」という言葉を生み出した人らしいです。彼氏って自然に出来た言葉じゃなかったんですね。
明治村の村長室はもともと東山梨郡役所(現在の山梨県山梨市日下部町)だったそうです。和風と洋風が混ざったような建築で急な階段で2階に上がることもできて、2階は広いホールになっています。
明治村の村長室をあとにして、レンガ通りを下って行きました。
左手に古い日本家屋があって係の人が説明をしてくれるというので、中に入ってみました。
5,東松家住宅
ここは、東松家住宅と呼ばれる建物で重要文化財に指定されています。
元々は名古屋の中心部のほり川沿いにあった商家で明治20年までは油屋を営んでいたそうです。係のお姉さんの説明を聞きながら中を見て回りました。
結構、お金持ちの家だったようで、家の中に茶室があったり、白熱灯もあったりしました。ちなみに、ちゃんと当時の白熱灯を使っているみたいで、実際に電気をつけてもらいましたが、「これが照明?」と思うくらい暗いです。フィラメントが切れたら結構貴重なものらしく1つ3,000円くらいすると言っていました。昔の電球を再現するのも大変なんですね。
風流な家主だったようで、家の中のいろんなところが凝っていて、襖の取っ手が舟を漕ぐために使う櫂になっていました。
茶室の障子を閉めると外の明かりで月の形の影が浮かび上がるような工夫もあり、なかなかおもしろいです。
ちなみにこれは、なんだと思いますか?
ぼくは、かぼちゃだと思っていたのですが、答えは違いました。答えは、、、、すいません。教えてもらったけど忘れちゃいました。
それにしてもこの家、階段がめちゃくちゃ急です。
うちの実家の近くには古い家が多かったのですが、この家のように急な階段が多かったのを思い出しました。ちなみに、上の写真は階段の下が引き出しになっていてものを入れられるようになっている仕掛けです。
一階の奥には小さな庭があって、奥には蔵がありました。
庭にあったタヌキ?の置物の目がいやらしい感じなのがちょっと笑えます。
東松家住宅の変わっているところが3階建てになっているところで、このような古い日本家屋の3階建ては初めて見ました。しかも、増築を繰り返して3階にしたようで、中が迷路のようになっています。
正面の玄関から入ったところの吹き抜けが3階まで続いていて開放感があります。3階の部屋には水や道具などを3階へ運ぶための仕掛けもあり、なかなか楽しめました。
1回は時代劇でみたことがあるような商売屋の番台がおいてあり、明治時代の商売屋の雰囲気がよく伝わってきます。
入り口の暖簾には明治村の「明」の文字が。
入口の横には東松家住宅の平面図が展示されていました。
やっぱりちゃんと説明を聞きながら見ると面白いですね。江戸時代には武家以外は3階建ての建物を作ることが許されていなくて、1867年(慶応3年)になって初めて京都、東京でこの禁令がなくなり、その後、全国でも同じように許されていったそうです。しかし、大正8年に市街地建築物法という法律によって木造高層住宅が禁止されたので、3階以上の木造住宅は50年ほどの間しか作られなかったそうです。
6,京都中居酒造
東松家住宅の隣は京都中居酒造という酒造の建物です。
現在は中は京甘味処の「なか井茶寮」というお店になっています。酒造らしく入り口には、丸い杉の葉をボールのように束ねた「さかばやし」または「すぎたま」と呼ばれるものが吊られていました。
これは、もともと新酒ができた合図でぶら下げるらしく、ぶら下げた当初は青く、ずっとぶら下げていることで茶色くなり、また新酒ができると青いものがぶら下げられるらしいです。
7,安田銀行会津支店
安田銀行の会津支店です。
木造建築の中にこういったどっしりとした煉瓦建築があるのが明治時代の面白い風景ですね。
つづく、、、