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「バビロンの大富豪 ジョージ・S・クレイソン」の書評と感想

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 この「バビロンの大富豪」は「読書はアウトプットが99%」の著者「藤井孝一」さんが紹介していた本です。この方はかなりの読書家でさらに読書を生活に活かす方法を書いて本にした人で、この本の中ではいくつか著者が人生において参考になった本を紹介していて、この「バビロンの大富豪」はその中の一冊でした。

 富の法則は大昔の紀元前から変わらなく、その本質が書かれているというところに興味を惹かれて購入しました。

 

・著者、本の概要

 著者は「ジョージ・S・クレイソン」というアメリカ人で、軍隊を出たのちに出版社を設立して道路地図を作成していました。そして、1926年にバビロンを舞台にした寓話のシリーズを作成してパンフレットの形で発行すると、銀行や保険会社や企業経営者の間で話題になりました。

 そして、本になり現在まで読み継がれている名著になっています。

 本の内容は紀元前3,000年ほど昔にあった古代都市「バビロン」の話です。いくつかの物語がありそのどれもが「富を得る」ことに関しての話になっています。物語なのでとても読みやすく頭に入ってきやすいです。

 最初の話は戦車を作っている職人の「バンシア」がどうして自分は一生懸命に働いているのに金持ちになれないんだと疑問を抱くところから始まり、その答えを友人でバビロン1と言われる富豪のアルカドに聞きにいくところから始まります。

 他には大富豪アルカドがバビロンでおこなった「金持ちになるための講義」をした話や、アルカドが息子のノマシアに与えた試練の話、元奴隷だったダバシアが金持ちになった話などがあり、どれもわかりやすく読みやすい内容になっています。

 

◆本の産まれた背景と気付き

 この本には著者による解説などがなく、ネットで調べても本書の産まれた背景はなかなかわかりませんでした。当時のアメリカは第一次世界大戦後の好景気に沸いていて、大量生産、大量消費の社会が産まれたという時代だったので、その中で資本家が産まれ、大資本家を夢見る人たちがこのわかりやすい寓話で書かれた富の知恵に飛びついたのかもしれません。

 この本の一番素晴らしいことは「いつの時代でも通用する知恵」だということです。紀元前3,000年の話ですが、お金に関するシステムは複雑になった現代でもお金を増やすための根本は変わらないということを教えてくれます。

 この本の富の支配法則をとても簡単にまとめると、「稼ぎの10分の1は必ず残し」「経験豊富で有能な成功者の助言をもらい」「お金を自分のために働かせる」ということだと思います。そして、本書は物語を呼んでいくうちのこの原則の重要性や守るための方法などが書かれています。

 最近は投資という言葉が一般的にも普及し、本屋にいけばお金の設け方などの本が並ぶようになりました。自分自身そういった本をたくさん読んできましたが、結局細かいテクニックなどの話だったりして最終的には頭に残っていません。しかし「バビロンの大富豪」は大昔から続く富の「原則」について教えてくれています。いろいろな投資に関する本を読む前にまずこの本を読んで、自分の人生の目標を決めていくと迷わないでしょう。

 

◆こんな人におすすめ

 お金に関する知恵というのはどんな人にでも役に立つものだと思います。この本は珍しく「誰にでもすすめられる」本だと思いました。

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