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映画「グラン・トリノ」を観たので感想(ネタバレ途中からあり)

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クリント・イーストウッドが主演のの映画「グラン・トリノ」。こちらも昔から気になっていて、一度はレンタルビデオ屋で借りてきたのに、時間がなくて観れず、なくなく観てないまま返却したこともある作品です。

今回、たまたまDVDを持っている人がいて貸してもらったので、夕飯の後にお風呂入ってさっぱりしたあと、久しぶりのエアコンをつけてゆったりと「グラン・トリノ」鑑賞をしました。

なので、その感想。

 

 

 

1.グラン・トリノのあらすじ

偏屈なおじいさんが唯一の理解者である奥さんが亡くなったところから話は始まります。子供たちも優しい振りをするのですが、遺産である家のことや車のことしか考えていません。孫娘も主人公であるクリント・イーストウッド演じるウォルトのソファーや車がほしいとねだる始末です。そんな家族に愛想をつかして、一人で犬と一緒に気ままに暮らします。

そんなある日、実はまじめな隣に住んでいるのタオ君が周りのギャングたちにそそのかされてウォルトの車を盗みに来ます。気配を察知したウォルトは銃を突きつけて追い払いました。

そして、その後、隣の家にまたギャング達がタオ君を仲間に引き入れようとやってきますが、あまりのうるささと、ギャング達が成り行きで自分の家の敷地になだれ込んできたに腹を立ててまた銃を突きつけて追い払います。

そして、その御礼に家に招待されたりして、だんだんと偏屈なおじいさんだったウォルトが心をひらいていき、そして、まじめだけど内気なタオ君に色々と教えていきながら二人の心が通じあっていくという話です。

 

 

 

(※ここからはネタバレありです)

 

 

 

2.モン族という一族

この映画の中で登場する人たちの中で「モン族」という一族が登場します。映画を観るまで知らなかったのですが、モン族とは元々はベトナム、ラオスなどに住んでいた山岳民族で、ベトナム戦争のときにアメリカが兵士として雇ったため、ベトナム戦争後アメリカが撤退したら危険にさらされることになったため、アメリカに移住した人たちがいたそうです。

主人公のウォルトの隣の家に住んでいるのはこのモン族の一族で、ウォルトの周辺の家はほとんどモン族が住んでいるそうです。

ぼくはぜんぜん知らなかったですがこの映画で改めて戦争の産んだ悲劇の一面を知ることになりました。

詳しくはこちらの記事に書いてありました。

「アメリカのモン族」

結構勉強になります。映画に出てくるモン族も、この記事に書いてある通り、コミュニティーがしっかりしていて、独自の文化、習慣を持っていました。

そして、若いモン族は英語が話せてアメリカの文化の影響を受けている様子もわかります。途中からモン族のギャングが出てきますが、アメリカ社会での少数派である自分たちを守るためなのか、アメリカ社会にうまく溶け込めない苛立ちからなのか、そういった要因が若者をギャングにしているのでしょう。

 

3.アメリカの若者

この映画ではよく若者が「ギャング」となって出てきます。正直、かなりガラが悪く、日本のヤンキーなんてぜんぜん怖くないくらいの無茶を平気で行います。この映画はそこまで現実から飛躍していない物語だと思うのですが、アメリカでも治安の悪いところはこんなに治安が悪いのかと思うときが多々ありました。

アメリカのギャングが怖いのは「銃」を持っている可能性があるからです。やはり、この映画のギャング達も銃を持っていますが、この映画を見るとアメリカの治安の悪いところには絶対に住みたくないと思ってしまいます。普通にマシンガンを乱射してますからね。

 

4.クリント・イーストウッド最高

やはり、クリント・イーストウッドの演技最高です。渋いです。そして、ぶっきらぼうです。口が悪く、すぐに皮肉を言うので、物語の最初の頃はなんて嫌なやつなんだと思うのですが、物語が進むにつれて、その皮肉もだんだんと愛情の裏返しの場合があるということに気が付きます。まあ、あまりの毒舌ぶりにはところどころ笑ってしまいましたが。

「パーフェクトワールド」でもぶっきらぼうで実は優しいという役でしたが、やはりこういった役が似合うのはクリント・イーストウッドでしょう。

ぶっきらぼうで、自分の子供達とはうまくいかなかったけど、隣に住んでいるモン族のスーとタオとは仲良くなって世代を超えた友達になっていく姿はとても微笑ましかったです。しかし、最後の最後にその友達の復讐のために死期を悟ったウォルトが身支度を整え、タオの手は汚させないようにして、ギャングに挑んでいく姿は武士を見ているようでした。なんだか最後は、散り際に美学を感じる日本人に通じる死生観を感じました。

 

5.グラン・トリノという車

グラン・トリノというのは車の名前です。物語は、この車を中心にして進んでいきます。最初は、隣のタオが車を盗みに来て失敗。そして、再度ギャングに誘われているところをウォルトに助けられ、家族の恥を改めるためにウォルトの家に奉公に行き、グラン・トリノにワックスをかける。

そして、最後ににはグラン・トリノをもらう。

映画のボーナス・トラックでこの車は主人公と一緒だと言っていました。古くて頑固だと。しかし、古くて頑固でも譲れないものは譲れない、自分の責任で友達を傷つけてしまったら、最後にちゃんとけじめを付けるという一本筋の通った頑固さがありました。

 

6.まとめ

ハッピーエンドではないですが、いろいろと考えさせてもらえる作品で観てよかったです。

 

by カエレバ

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