書評(絵本)

ヨシタケシンスケ『もうぬげない』は子供にとっての一大事を描いた絵本

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ヨシタケシンスケさんの絵本はクスッと笑えながらも考えさせられるものが多いですが、今回紹介する「もうぬげない」はシンプルに面白い絵本。

笑いに重点が置かれている作品で、読んでいると微笑ましい気持ちになれます。

男の子の親なら「あるある」と誰もが共感できる絵本でしょう。

絵本『もうぬげない』

基本情報

  • 文 絵 ヨシタケシンスケ
  • タイトル 『もうぬげない』
  • ブロンズ新社

 

『もうぬげない』のあらすじ

お風呂に入ろうと思って服を脱ごうとしたら途中で引っかかってしまって脱げなくなった「ぼく」。

脱げないまま結構時間が経って、だんだんと「一生このままだったらどうしよう、、、」という不安が出てきました。

しかし、前はうっすら見えるし意外となんとかなるかもと希望の光も見えてきます。

服が脱げなくても偉い人になれそうだし、友達もできそうだし、なんとかなりそう!と思っていたら、今度はお腹が冷えてきます。

お母さんを呼ぼうとしますが、悔しいから自分で脱ごうとがんばったら、ズボンまで引っかかっちゃった。

最終的にお母さんに助けてもらって、されるがままにお風呂に入りますが、最後にはクスッと笑えるオチが待っています。

 

男の子あるある

女の子でもありますが、子供の服を脱がそうとしているときに頭に引っかかってしまうあるある。

主人公が男の子で、我が家も男の子がいるので「こんな場面あるな〜」と微笑ましく思いながら読んでいました。

最初の1ページでいきなり服が引っかかっているという出だしがシュールで面白い。

今までの絵本になかった出だしと世界観はさすがヨシタケシンスケ。

服が脱げなくてもなんとかなるさ!と妄想を膨らませて楽しんでいくのもヨシタケシンスケ流。

前向きな考えになって明るい未来が待っているような流れになった後に、今度はズボンが引っかかってどうしようもなくなっている姿は笑えました。

自分の子供が服が引っかかっていたら、ついつい写真を撮っちゃいそう。

というか間違いなく撮る。

 

子供はちょっとしたことでも「終わった、、、」と感じる

自分も経験がありますが、子供のときって大人なら考えられないくらい小さいことで「人生終わった、、、」みたいに絶望しませんか?

ぼくの場合は、小学生のときに家の勉強机の下に入って遊んでいて頭が挟まって抜けなくなったとき。

ちょうど2階で1人で遊んでいたので、誰も近くに助けてくれる人がいませんでした。

いまでも覚えていますが、夕暮れどきで「あぁ、自分は一生このまま机の下で過ごすんだろうな、、、」と何故か絶望的な気持ちになったことを覚えています。

まあ、そのあと体勢を変えたら意外と簡単に外れましたが。

そんな絶望的な状況が伝わってきて面白い絵本でした。

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