いろいろなところで紹介されている有名な絵本「ちいさい おうち」を紹介します。
自然の中で暮らす素晴らしさを教えてくれる絵本です。
絵本「ちいさい おうち」
基本情報
- タイトル ちいさいおうち
- 文 絵 バージニア・リー・バートン
- 訳 いしいももこ
「ちいさいおうち」のあらすじ
おはなしは、ある一軒のおうちが建てられたところから始まります。
ちいさいおうちは、田舎の丘の上に建てられ、花や風、動物の気配を感じながら毎日を過ごしていました。
しかし、だんだんとときが経つにつれて、ちいさなおうちの周りに道路ができ、家が立ち始めました。
さらに、家がビルになり、目の前の道路が鉄道になり、地下鉄ができてしまいます。
ちいさなおうちは昔の田舎の生活が懐かしくなりました。
そこへ、ちいさなおうちを建てた人の孫の孫の孫がやってきます。
その人は建築家に頼んで、ちいさなおうちを再び田舎に引っ越してくれました。
ちいさなおうちは、また静かな田舎で暮らすことができるようになりました。
自然の中で暮らす豊かさがわかる
物語の始まりは田舎での暮らしを描写しています。
春が来ると日が長くなり、暖かくなる。
りんごの花が咲き、子どもたちが小川で遊び始める、などの自然の中での生活がとてもリアルに表現されています。
しかし、時代が進み、ちいさなおうちの前が都市化されると、ビルで月が見えなくなったり、街灯の明かりで星が見えなくなったり、自然がなくなり季節を感じられなくなったりします。
人々は忙しそうに動き、都市生活の窮屈さ騒々しさが表されていました。
自然の中から場面がだんだんと都市の中に移行されることで、自然と都会が対比され、自然の中での生活の豊かさが際立っています。
都会で暮らすことが多くなった現代の子供に、田舎での自然の素晴らしさを感じてもらうには良い一冊です。
今の子供達が田舎や自然への興味を持って、大人になったときに自然を大事にしようという気持ちが生まれてくれれば良いですね。
著者も田舎暮らし
著者であるバージニア・リー・バートンもちいさなおうちのように田舎に暮らしていました。
野菜や果物を栽培したり、羊を飼育したりして、自然に根ざした生活をしていたときの経験がこの絵本に生かされて、田舎のリアルな風景が表現できています。
ちいさいおうち 改版/岩波書店/ヴァ-ジニア・リ-・バ-トン