タイトルがちょっと挑戦的なので「どうせ気を引くタイトルをつけて、自分の過去の成功、失敗体験を綴っただけのものなんだな」と思いながらも購入した本書ですが、意外と面白く特に人生の中でのお金の使い方に対する「本質」をついた話には勉強させてもらいました。
◆著者について
著者は1963年生まれの「板倉雄一郎」という方です。
高校を卒業後ゲーム会社を立ち上げ、91年には3つ目の会社となる株式会社ハイパーネットを立ち上げて注目をあび、栄えあるビジネス賞を総なめにし、ビルゲイツと商談したり日経新聞の一面を飾ったりもしましたが、97年に負債総額37億円で破産したという、まさに山あり谷ありの人生を歩んできた方です。
現在は起業コンサルティングや講演活動をしています。
◆本の概要
本書は、
第1章 うまい話にだまされない
第2章 お金のルール
第3章 人生のお買い物
第4章 株式投資の罠
第5章 投資対象の選択
と、人生に関わるお金の話について「おりこうさんはこうする」「おばかさんはこうする」という解説をつけて説明しています。
例えば、「ポイント貯めますか?」というページでは、おばかさんは「貯めます」と即答し、おりこうさんは「ポイント還元します」と言って商品を売るお店と紹介しています。そして、そのあとにその理由について説明があります。
ちなみに「ポイントとは店に無利子でお金を貸す行為」ということが書かれていて、ポイントについて正確に理解できました。
◆本書からの気付き
ぼくは学校で「期待値」という仕組みを知ってからギャンブルは一切やらないと心に決めていたのですが、本書ではそれを後押しする形で、さらに詳細な説明がありました。
例えば「宝くじ」。
宝くじが当たる確率は数字が「1,2,3,4,5,6」と並ぶ確率と同じという説明で、宝くじがいかに当たらないかということがはっきりとわかりました。
たしかに数字がランダムだとなんとなく当たりそうな気がしますが、結局は並んでいる数字でも確率はいっしょなんですね。
本書では良く「価格」と「価値」という言葉が出てきますが、その言葉をしっかり理解することが人生でお金を無駄にしない秘訣だとわかりました。
買い物でも株でも「価格」に注目するのではなく、そのモノの本当の「価値」を理解し、それが自分にとって必要なのかどうかを判断することが本当に大切なことだと理解しただけで、本書の価格以上の価値があったと思います。
◆こんな人におすすめ
住宅ローンやギャンブル、買い物、株などの多岐に渡る話があり、そのなかで損をしないためにはどうしたら良いか書かれているので、大学生や社会人になりたての人にぜひおすすめしたいです。