以前大ヒットした「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」、通称「もしドラ」を初めて読みました。
ヒットしていて映画化サれたのも知っていたのですが、最近は流行りモノにすぐに乗っからずちょっと様子見するようになり、落ち着いてから読むようになりました。そのほうが、多くの評価がわかり冷静に判断できますし、何よりヒットしたものはそのうち中古で大量に出てきますからね。
実際に「もしドラ」もアマゾンで1円で購入しました。
この本を読むきっかけは「読書はアウトプットが99%」という本の中でいきなりから難しい本を読むより、最初はそれをわかりやすく解説した本から入ると良いと書かれていたからです。実際「もしドラ」はドラッカーの「マネジメント」をとても分かりやすく紹介してくれていました。
・著者、本の概要
著者は、東京芸術大学卒業後、作詞家の秋元康に師事して、放送作家として「とんねるずのみなさんのおかげです」や「ダウンタウンのごっつええ感じ」などのテレビ番組の制作に参加した方です。AKB48のプロデュースにも関わったようで、その後はゲームやウェブコンテンツの開発会社を経て作家として株式会社吉田正樹事務所に勤務しています。吉田正樹事務所というものを知らなかったのですが、ちょっとネットで調べてみたところ、ブロガーやYouTuber、イラストレーター、作家などかなり面白そうないろんな人達が所属している会社のようです。(吉田正樹事務所)
「もしドラ」のお話はこれだけヒットしたので知っている方も多いと思いますが、一応ぼくなりにまとめてみました。
高校2年生の主人公「川島みなみ」がとあることをきっかけに野球部のマネージャーになり「野球部を甲子園に連れて行く」という目標を立てます。
そして、マネージャーになったのですが、マネージャーについて知らなかったので「マネージャーとはなんだろう?」ということを知るために本屋に行ったところ、店員さんに「マネージャーについて分かる本を探していると言って世界で一番売れているマネジメントに関する本として紹介されたのがドラッカーの「マネジメント」という本でした。
最初はわけもわからず読んでいたのですが、マネジメントに書かれている内容が自分が必要としている知識であることに気が付き、マネジメントを参考にしながらやる気のなかった野球部を改革していく話です。
本の内容は小説なのでとても読みやすいですし、ところどころに「マネジメント」からの抜粋があり、原本の内容に触れることもできます。「マネジメント」の解説本というよりは「紹介本」という感じで、この本で興味をもった方は「マネジメント(エッセンシャル版)」と読むと良いそうです。
◆本の産まれた背景と気付き
著者はこの本を書く4年前に偶然「マネジメント」のことを知って読んだところ、ちょうど自分が悩んでいた組織のマネジメントについて書かれていて、人間とはなにか、社会とは何かを知り感動して心が揺さぶられて涙を流したそうです。
そこで著者はアメリカの「マネージャー」の立場と、日本でのマネージャーとして真っ先に思い浮かんだ野球部のマネージャーの立場、性質の違いについて考え「もし高校野球のマネージャーがドラッカーのマネジメントを読んで、そのとおりに行動したらどうなるか?」というアイデアを思いついたそうです。
アメリカでの「マネージャー」というと「管理職」という感じがしますが、確かに日本でのマネージャーというと高校野球の女子マネージャーのように「主となる人をサポートする」という感じがあります。しかし、「もしドラ」ではそのイメージの違う両者をどんどん融合していき、マネージャーが野球部や監督までも動かすようになり、さらに全体を向上させていくところに面白みを感じます。
マネジメントというと経営に関するイメージがありますが、これは日本の高校野球の話。それでも、組織の運営方法は変わらず「顧客は誰か?」「働きがいを持たせるにはどうするか?」「イノベーションを起こすには」など経営に使われるような言葉を言い換えることで、高校野球の運営に活かして野球部を改革していくため、マネジメントについてイメージしやすい作品になっていると思います。
経営についての難しい言葉が並ぶ本をいきなり読むよりは、まずはこれで高校野球でイメージした方がわかりやすいと思いますし、これを読むことで一つのマネジメントの事例として学べるところが良いです。
◆こんな人におすすめ
これはかなり幅広い人に勧められる本です。会社のリーダー、部活の部長、自治会の会長など人や組織を動かすような立場にある人にはとても参考になると思いますし、1人で新しい事業を始める方にも顧客の定義づけなど役に立つところがたくさんあります。