最近よく聞く言葉の一つ”キュレーション”。
以前からその言葉には興味を持っていて自分で調べました。
もともとキュレーションというのは美術館の学芸員などで企画展示などを行う人を指す言葉です。キュレーションの仕事として、いろんな美術品を一つのテーマに沿って展示したりすることがあります。
なんでキュレーションという言葉を知っていたかと思い出してみたらうちに「ギャラリーフェイク」という美術マンガがあってその主人公がキュレーターだったからでした。
結構美術のこともわかりやすく、ストーリー的にもおもしろいので楽しく勉強出来るためオススメです。
話を戻しますと、現代では学芸員の企画展示のようにいろいろな情報を結ぶことをする人や、情報をあるテーマに沿って提供する人、人と情報をつなぐ人などのことをキュレーションと呼ぶようになってきました。
例えば、インターネット上にある海外の経済ニュースの中から面白いものを選んで、その記事に自分なりの説明を足して紹介したりするのも現代のキュレーションです。
おもしろ動画サイトみたいな感じの世界中からおもしろい動画を集めて紹介しているサイトもある意味キュレーションかも知れません。
この本ではそんなキュレーションの時代が来たことをいろんな事例を紹介しながら説明してます。
興味深かったのが今までの情報の取得方法の説明です。
今まではテレビ、新聞、ラジオというマスメディアが情報の王様でした。というもの、情報を発信するにはいろんな設備が必要だったし、費用もかかった。
しかし、今ではインターネットでも誰でも情報を発信できる。こんなブログでも情報発信しているし、ツイッターでつぶやくことも情報発信です。
そして、大量の情報が発信されている時に必要なのがキュレーターであり、情報を自分に代わって取捨選択してくれる人です。
そういう人から情報を得ることがだんだん当たり前になってきます。
昔に比べテレビの重要性が減ってきて、インターネットでの情報収集をするようになってきています。
インターネットにはウソか本当かわからない情報が多いということに対して面白いことを言ってました。
例えばテレビに出て来るコメンテーターが番組を面白くするために適当なことを言ってもすぐに忘れられ、一年もしたら反対のことを言っているなんてことがあります。
しかし、ネットではその人のコメントはネット上に残ります。
変なことを言えばずっと消えずに残るので、ちゃんと自分を持った発言をしないといけません。
ネットの方が発言に対する信頼性が高いと言ってます。
逆に良いことを言い続ければそれだけネットに発言の足あとが残るのも良いことですし、適当なことばっかり言って信頼をなくすような人はネットから消えて行くでしょう。
専門的な視点で説明してくれてわかりやすく面白かったですが、個人的にもう少し現在のネットキュレーターの事例やビジネスモデルなども紹介してくれるとありがたかったです。
まあ、それはこの本のコンセプトではないでしょうが。
今後の世の中の動きが少しわかる気がする面白い本でした。