書評(本)

「ヘッテルとフエーテル マッチポンプ売りの少女 マネー・ヘッタ・チャン」の感想と書評

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 本屋で平積みになっていたものを購入したのですが、本棚を整理していて久しぶりに出てきたので改めて読んでみました。

 発売当初話題になっていたこと、儲け話などの裏側が書かれていて何度も読むものではないですが、一度は読むと良いと思える本です。

 

◆著者

 著者はなぞの「マネー・ヘッタ・チャン」というペンネームの人です。本に書かれているプロフィールではサブカルチャー作家で、本業は5年間負けなしのプロ投資家、数億円を運用しながら、作家として金融世界の不幸話をわかりやすく物語で紹介している人です。

 ブログもあるようです。「マネー・ヘッタ・チャンのブログ」

 これだけでは全然どのような人かわからないので、ネットで検索してみるとどうやら本業は証券系のディーラーで利益を出しても会社に半分取られてしまう上に1年契約というインタビューがありました。

 半分会社に取られるとはいえ、億単位の利益を出しているのであれば1億利益で半分の5000万円の収入。半分税金に取られても2500万円。なかなか良い結果ではないでしょうか。この時点では7年間負けなしと書かれていました。(インタビュー記事)

 本人が関わっているかどうかわかりませんが、父親は編集プロダクションの社長でステマを強要されたとの記事もあり、「マネー・ヘッタ・チャン」と検索するとなかなか香ばしい雰囲気でした。(ステマ強制の記事)

◆本の概要

 どちらの本も現実にあったお金や社会の裏側の話を童話形式でわかりやすく紹介しています。いくつかの短編に別れていて、内容は天下りや出版業界の裏側、投資、自己啓発の話、不動産、相見積もりの話など普通の人が生活していく中で関わりのあるものを題材にしている点でとても読みやすかったです。

 物語に出てくる名前も検索会社の「ゴーグル」や「ミツギシGFJ銀行」など実際の名前がわかりやすいように変えてあり、内容が物語なので当時のその話に関わった人の状況の臨場感が伝わってきます。

 水嶋ヒロの小説の話や保険会社の営業の話、天下り会社の話、預金封鎖の話など題材の取り上げ方が良いです。

 

◆本書からの気付き

 物事を自分の頭でちゃんと考えて理解することの大切さを知りました。本書を読んで深く考えさせられた部分です。

 投資話などちゃんと自分でリスクとリターンを考えてから手を出すべきという原則が改めて大切なんだと思いました。

 そして、物事の裏側までちゃんと考えること。

 

◆こんな人におすすめ

 現状に不満を抱えていて、最近自己啓発の本や転職、起業について考えている人、投資を初めようとしている人、就職活動を控えた大学生にぜひ読んでもらいたいです。自分の置かれている状況を客観的に見直すことで一度冷静な気持ちになれます。

 ただ、2冊を新書で買うとちょっと高いです。内容が薄いので、個人的には2冊分の内容を1冊の文庫にまとめて600円というのが良い価格だと思ってます。

 古本があればそちらで購入するのが良いかと。

 

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