ついに、、、ついにチェーザレの12巻が発売されました。
それにしても長かった。
11巻発売当時にはまだ赤ちゃんだった長男が来年小学校に上がるくらい長い時間待ちました。
多分、チェーザレ集めている人でも新刊が出たの知らない人が多いんじゃないでしょうか?
今回はそんなチェーザレ待望の12巻を紹介します。
そもそもチェーザレって何?
ルネサンス期のイタリアで活躍した人物で、父親のロドリーゴ・ボルジアの右腕となりローマ教皇なるのを手助けした人物。
のちに軍隊を率いてイタリアの戦国時代のような乱世を駆け巡る人物です。
実際に何か歴史に残るような大きなことをしたという人物ではありませんが、ニッコロ・マキャヴェッリの書いた「君主論」の中で君主のあるべき姿として評されることで有名になりました。
漫画「チェーザレ破壊の創造者」の中では、歴史上の評価の通り美男子で頭が良くて行動派として描かれています。
物語前半では父親がローマ教皇になるために大学生ながら裏で政治的交渉をする様子を見ることができます。
金持ちで頭が良くて行動派でかっこよくてカリスマ性がある、いわゆる完璧な人物です。
うまく例えられているかわからないですが、例えるなら花より男子に出てくる道明寺司を「頭が良くて目的のためにはずる賢い手段も使えるし、冷酷にもなれる」ようにした人物という感じ。
まあ、敵に回したら絶対に勝てない人って感じです。
現在漫画は1〜12巻まで発売していますが、11巻発売からモーニングでの連載が遅れがちになり、止まり、12巻発売までに4年の歳月が流れてしまいました。
昔はブックオフであまり見かけなかったチェーザレですが、12巻が待ちきれなかった人が多かったようで、最近は安く売っていることも多いです。
実在の人物を描いているので、歴史的な流れは先に知ることができます。
サクッと読みたい方は「まんがで読破 君主論」がわかりやすくておすすめです。
ここからはチェーザレ12巻の感想をなるべくネタバレしないように紹介していきます。
イタリアの要が次々と亡くなり、政情が不安定に
前巻でミラノ、ナポリ、フィレンツェをつないでいたフィレンツェの「ロレンツォ・デ・メディチ」が亡くなってしまいましたが、そのせいで同盟が無くなり、イタリア半島の政情が不安定になっていきます。
さらに元々病状にあったローマ教皇が亡くなりイタリア全土は混乱していくことになります。
せっかく作り上げた父親を次期ローマ教皇にするための戦略が崩れて行く中、チェーザレは冷静に情勢を見極め、自分のできることを探して実行いきます。
ローマ法王を決める選挙「コンクラーベ」の内側
ローマ法王が亡くなると次期法王を決めるための選挙が行われます。
現在でもバチカン市国の中にある「システィーナ礼拝堂」に一部の位の高い人だけを集めて行われる選挙で、12巻の後半ではその様子が描かれています。
普通は見ることができないコンクラーベの様子を、まるで実際に中にいて選挙を見ているかのような臨場感で描いているのはさすが。
ローマ教皇が亡くなるとコンクラーベがニュースになりますが、これを読めばニュースの理解も深まると思える内容です。
さすがに現在はこんなにドロドロした駆け引きはないでしょうが。
宗教が大きな力を持ち、権力と結びついたり、権力そのものになってしまうのは考えものですが、仕方のない部分なんでしょう。
日本の歴史を見ても、朝廷が仏教を輸入し、仏教が力を持ったから戦国時代には織田信長が仏教勢力に苦しめられました。
当時のローマ教皇にはイタリア全土を動かせる力があり、だからこそその権力に大勢の人が群がりドラマが生まれるんですね。
次巻13巻ではコンクラーベが終了し、次期教皇が決まるのか?
楽しみです。
評価は
衣装や背景の書き込みとか、すごく気合が入っていて見ているだけでも楽しいのですが、ストーリーの展開、政治的駆け引き、テンポの良さも素晴らしい。
続きが気になるのですが、次巻13巻が出るのはいつになるのか、、、
まあ1年以上は覚悟していた方が良いかもしれません。
海外ドラマでチェーザレの一族を描いた「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」というのがあるので、待ちきれなくなったらDVDでも観て気長に待つか、、、