子供の言い訳には厳しいけど、大人って自分でも言い訳しますよね。
この「ふまんがあります」は、そんな大人がおもしろおかしく子供に言い訳している絵本です。
読んでいるとどちらが大人か子供かわからなくなるかも(笑
絵本『ふまんがあります』
基本情報
- 文 絵 ヨシタケシンスケ
- タイトル 『ふまんがあります』
- PHP研究所
『ふまんがあります』のあらすじ
女の子の「わたし」は、大人はいろいろとズルいと不満をためていた。
そこで、ある日パパに不満をぶつけることにしました。
「大人は夜遅くまで起きているのに、なんで子供だけ早く寝なくちゃいけないの?」と。
パパは「次のクリスマスのために子供がちゃんと寝ているか調査にきているからだよ」と答えます。
疑いながらもなんとなく納得したわたし。
でも、不満はまだまだあります。
お風呂に入る時間を勝手に決められることや、勝手にしなさいと言うくせに勝手にしたら怒ることなど。
不満をぶつけられるたびにパパはいろんな理由を説明してわたしを納得させます。
最後にはパパがわたしに対して「ズルい」と不満をぶつけるのですが、わたしも上手に理由を説明するというオチ。
可愛らしいオチにほっこりします。
『りゆうがあります』とは反対の立場
ヨシタケシンスケさんの絵本に「りゆうがあります」という作品があります。
「りゆうがあります」はお母さんに貧乏ゆすりや鼻をほじるなどのクセを指摘された「ぼく」がいろんな理由を答える絵本。
今回の「ふまんがあります」は、子供の「わたし」が大人に文句を言ってパパが言い訳をする話。
「りゆうがあります」では子供の立場で、「ふまんがあります」では大人の立場でそれぞれ理由を言っているのですが、立場が変わっても同じように遊び心に溢れた説明をしているのが面白い。
子供も大人もそれぞれ相手のことをズルいって思っているんですね。
面白いパパ
ズルいと言われた後の説明がかなり突拍子もない言い訳なのですが、それをなんとなく信じてしまう「わたし」がかわいい。
そして、「よくそんな言い訳考えられるなぁ」というユニークな言い訳を考えるパパもかわいいです。
神妙な顔して適当なことを言っている大人って面白いですね。
最近こんな適当で遊び心溢れた高田純次のような大人って少ないので、見ていて楽しい。
世の中には「ちゃんとした大人」が増えすぎてしまって、こういうちょっとゆるい大人は生きづらい世の中なんじゃないかな。
こういうパパが増えてくれるような、ゆるい世の中になって欲しいと切に願います(笑