先日、久しぶりにブックオフに行ったので、楽しくなって5冊も買ってきちゃいました。その中に「まんがで読破 おくのほそ道」がありました。まんがで読破シリーズが結構好きで、集めているのですが今回は「おくのほそ道」と「徒然草」が気になって購入しました。
名前は学校で勉強したので、聞いたことがあるけど内容を詳しく知らないものが結構あるので、まんがで読破シリーズは結構楽しんで読ませてもらっています。
・あらすじ
「まんがで読破 おくのほそ道」はおくのほそ道の内容をそのまま紹介するのではなくて、松尾芭蕉の生涯の中でのおくのほそ道が出来た過程をたどっていくような感じで紹介しています。
松尾芭蕉は江戸時代の歌人で、元は伊賀上野の産まれでした。地元の名家である武士の子供として産まれ、侍大将の藤堂家に仕えるようになります。そこで、藤堂家嫡男良忠が俳諧に通じていたため俳諧を学ぶことになりました。
しかし、松尾芭蕉が俳句を習うきっかけになった藤堂良忠は24歳という年齢で若くしてなくなってしまいます。失意のどん底に落ちた松尾芭蕉は武士として生きることに疑問を感じ、俳諧の道に進むことを決心して江戸に行きます。
江戸では新しい俳諧の文化に触れ、腕を磨くうちに弟子ができ、俳諧の会「俳席」にも呼ばれるようになりました。しかし、人気商売の江戸での俳諧生活に疑問を感じて、郊外に引越しひっそりと自分の俳諧について考える時間を持つことになりました。そのとき住んでいた家に「芭蕉(大きな葉っぱの南国っぽい植物)」が植えられていたため、その家を「芭蕉庵」と呼ぶことになり、そこから「松尾芭蕉」と呼ばれるようになりました。
俳諧の道を進むうちに、昔の歌人たちの素晴らしさを改めて感じ、古人たちと同じように旅をして俳句を作るようになりました。そして、その度のなかで「みちのく(現在の東北)」を旅した時の紀行文学が「おくのほそ道」です。
みちのくの旅では、自然の美しさや時代の移り変わりなどを歌にして、有名な
「夏草や 兵どもが 夢の跡」
という句も作られました。
・感想
松尾芭蕉の東北の旅の描写が詳細に書かれていて、面白いです。現在の弾丸ツアーのような旅ではなくて、歩いて土地の空気や自然、歴史を感じながら思いついたら俳句を書き留めるという風流な旅の様子が感じられます。歩いて旅をする、時間に縛られないで土地の素晴らしさを感じるこのような旅をしてみたいです。
昔、1人でヨーロッパを旅したことがありましたが、やはりどこか時間に追われての旅で、落ち着きがなかったように思います。昔の、ちょっと気になることがあれば立ち止まるような徒歩の旅の素晴らしさを感じました。
その度の中で感じた一瞬の感情や気が付いたことを、五七五という短い詩の中に埋め込むという芸術である俳句の素晴らしさに改めて気が付きました。
俳句の素晴らしさと、旅の面白さが伝わってくる名作です。
松尾 芭蕉 イースト・プレス 2011-05-31
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