今まで長い間連載していた「岳」がついに最終回になってしまいました。
小栗旬が主演で長澤まさみがヒロインになって映画化されたので知っている人も多いと思いますが、その原作マンガがついに最終回になってしまいました。
このマンガが長野の山の山岳救助隊のボランティアの主人公「島崎三歩」が山での救助活動を通して、山の魅力、山の怖さ、山に関わる人について描かれたマンガです。
僕は、このマンガを知ってから今までより山に興味を持ち、実際に登山にも行きました。
山の魅力を教えてくれたマンガです。
岳の主人公の島崎三歩は能天気なんだけど、山の救助ではとても頼りになる人で救助隊の人たちの精神的支えにもなります。
救助マンガなので、救助活動が多いのですが中には救助が間に合わず亡くなってしまう人とか、その家族の話もあったりして楽しい話だけでなく厳しい現実の話も描かれています。
三歩はそんな状況でも決して暗くならず、前を向いてみんなを明るくしてくれる存在です。
そんな三歩が自分を変えるためにローツェという山に登りに行くところからクライマックスが始まりました。
今までの長野の救助活動の展開とは違って登頂の話なのでワクワクしながら読んでましたが、やはり厳しい山の状況が出てきます。
三歩が登る山の近くのエベレストに別の登山グループが上りにいくところの話も平行して進んでいきます。
エベレストに登るためには資金や体調、トレーニングなど様々な準備をしていきますが、そんな準備をしていてもちょっとした油断で危険な目に合います。
エベレスト登山隊が嵐に巻き込まれる危険性を感じた三歩は単独で登っていたローツェを諦め、エベレストに向かい嵐に巻き込まれた登山隊を次々に救助していきます。
そして、全員を救助し終えたと思ったら最後に一人残されていることがわかり三歩は一人で救助に向かいます。
そして最後、意識が朦朧としながらベースキャンプに無線でコーヒーを飲んだら帰ると言い残し次の話は5年後の長野のその後のみんなの話になります。
結局、三歩は死んでしまったのか直接的にはわかりません。
三歩が使っていたコーヒーカップにあったかいコーヒーが注がれているシーンが最後に出てきますが、誰が使っているのかはわかりません。
三歩はどんなところからも元気に明るく生還してくる「死」とは無縁のキャラクターだったのでかなりショックでした。
しかし、三歩は生きていると信じます。
そして、三歩の意思が生きています。
僕はこのマンガで山の魅力、怖さなどいろいろと教えてもらいました。
久しぶりの名作に出会えたことに感謝と、作者の石塚真一先生おつかれさまでした。