書評(本)

「桐谷さんが教える はじめての株主優待」桐谷広人 の感想と書評

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 「月曜から夜ふかし」という番組を毎週見ているのですが、そのなかでたまに登場するのがこの「桐谷広人」さん、通称「きりたにさん」です。

 独特の濃いキャラクターで、ちょっと変わったおじさんですが、この人は今最も有名な株の投資家だと思います。

 本屋に行ったらちょうど桐谷さんの本が出ていたので、買ってみました。

 

◆桐谷広人さんとは?

 桐谷さんは株の投資家で現在では株主優待を駆使してほとんど現金を使わずに過ごすということで有名です。株主優待の使い方は凄まじく、期限が切れないように期限間近のものを使い切るのでいつも忙しくて番組内ではいつも自転車で猛ダッシュしています。

 桐谷さんは本職はプロ棋士として活躍しています。

 

◆桐谷さんの本を読んで

 そんな桐谷さんの本を読んでみました。

 内容は1時間目から6時間目という形で6つの項目に分かれています。

・1時間目 お金持ちじゃなくてもできる!株主優待の魅力
・2時間目 日用品もなんでもそろう!株主優待
・3時間目 超節約型!私の株主優待生活
・4時間目 株主優待家桐谷広人が誕生するまで  
・5時間目 私と株の29年
・6時間目 今日から始める株主優待生活

という感じです。

 1時間目は株主優待ってこんな感じで誰でも簡単にできるものですよ、という説明。2時間目は株主優待にはこんな内容のものがあってお得ですという内容。3時間目は桐谷さんの株主優待を使い切る生活。4時間目は桐谷さんの子供時代からプロ棋士時代までの話。5位館目はプロ棋士時代から株投資家になるまでの話。6時間目は証券口座の開き方や株の買い方、株についての注意事項などです。

 全体的に内容は薄めなのでさらっと読めます。

 なんとなくですが、この人、人が良いので本が売れると思った出版社に押し切られて書いたんじゃないかと思います。と、いうのは煮詰めて書き込んだ本という感じではなく、なんとなく出版社から与えられたテーマでささっと書いたような感じがしたからです。

 前半の桐谷さんの株主優待生活の内容、株主優待はこんなものがある、などの内容はあまりおもしろくなかったですが、途中から桐谷さんの幼少期の話からプロ棋士になって投資家になるまでの話は波瀾万丈で読み応えがありました。

 びっくりしていたのは桐谷さんが信用取引をしていたこと。株の信用取引とは証券会社からお金を借りて自分が持っているお金よりも多い金額を投資できる手法ですが、儲かるときには大きく儲かる反面、損するときは自分の手持ち以上の損が出てしまいます。

 通常の株取引であればどんなに損しても投資した金額が0円になるだけですが、信用取引をすればマイナスになることもあります。桐谷さんはリーマン・ショックのときには大損して、親や兄弟にお金を借りてしのいだこともあるそうです。温和そうに見えてかなりのギャンブラーですね。そういえば、番組でラスベガスに行った時も60万円くらい買っていた気がします。

 アベノミクスのおかげでなんとか信用取引を辞めることができて、今の現物取引と優待生活で現金を使わない生活になったそうです。

 桐谷さんは自分がいろいろと失敗して経験したので、信用取引は推奨していません。信用取引を獲物が捕れれば大きいけど、捕れなければ何も食べられない狩猟に例えていて、現物買いで少しずつ資産を増やし株主優待で暮らすスタイルを農耕型に例えていて、農耕型の投資スタイルを推奨しています。

 契機の変動のたびに神経が擦り減り死にそうなストレスを抱えるくらいなら、ぼくもゆっくりでいいから資産を増やしていく農耕型が良いのではないかと思っています。世界一の金持ちウォーレン・バフェットも長期投資の農耕型ですからね。

 この本を読むことで桐谷さんの人生の山あり谷ありの部分を追体験できたのはとても今後の参考になりました。要らない箇所も多かったですが、やっぱり苦労した人の人生訓は勉強になります。

 

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